田母神前空幕長と同じ思想をもつ人物の杉並区教育委員再任を止めましょう
2008/11/21 金曜日 16:30:39 JST

 11月26日杉並区議会本会議で、午後1時から教育委員の人事案件が提案される予定です。今の段階でまだ正式な議案としては提案されていませんが、これまで2回にわたり「つくる会」歴史教科書の採択を求めてきた2人の委員の再任が提案される見込みです。2人とも、田母神前航空幕僚長と同じ思想をもつ人物です。今日の段階でまだ議案として出せない理由は、与党会派の中にも一部異論があるためです。任命権者である山田区長に対し、全国から再任反対の声を寄せて下さい。そのうちの一人大蔵雄之助氏は、教育委員に任期中の言動からも、再任は法律に違反するものです。以下は、本日区庁舎でまいた私ども無所属区民派のビラの原稿です。多くの方々に転送願います。
 →大蔵雄之助氏の再任に反対するビラは、こちらです。
   (pdfデータ 980KB)
 

11月21日
杉並区議会無所属区民派
  区議会議員 けしば誠一
前区議会議員 新城せつこ

「杉並区教育委員」の肩書きで「教育再生機構」の役員に加わる大藏雄之助氏は教育委員不適格

◆「つくる会」教科書採択 を2度にわたり要求
 山田区長は、8年前区立中学校に「つくる会」教科書を採用するために、議会の少なくない反対を押しきって、教育委員に大藏雄之助氏と宮坂公夫氏を選任しました。2人は「新しい歴史教科書をつくる会」の会員と賛同者です。
 特に大藏氏は、統一教会と深い関係を持つ国際勝共連合の機関紙にコラムを持ち、「つくる会」の論客としても積極的活動を展開していました。モンタナ大学の国際会議での「従軍慰安婦は売春婦であった」発言は、韓国はもとよりアジア各国から強い批判を浴びました。大藏・宮坂氏は、山田区長の期待に添い、2度にわたり扶桑社版歴史教科書を積極的に推奨し、2005年の採択の推進力となったのです。
 
◆特定の政治的団体に関わる大藏氏は
  教育委員の資格なし

 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条は、教育委員の過半数が同一政党に属さず、委員は政党その他の政治団体の役員となりあるいは積極的な政治運動を行うことを禁じています。ところが大藏雄之助氏は、教育委員としての立場をわきまえず、選任後も「つくる会」分裂後の新組織立ち上げに積極的に関わるなどの政治的活動を続けてきました。百科事典『ウィキペディア』(資料1)で、「勝共連合」を検索すると、「賛同的な人たち」の筆頭に大藏雄之助氏の名があり、杉並区教育委員の肩書を載せています。
 「つくる会」は、扶桑社版歴史教科書の採択が、全国で0.4%に満たなかった責任をめぐり分裂し、会長の八木秀次氏は、新たな歴史教科書の編纂を目指して「日本教育再生機構」(資料2)を立ち上げました。大藏氏は、いち早くこれに賛同し積極的に活動しています。これは、教育委員の資質を定めた地方教育行政法に違反します。

◆教科書作成関係者が採択に加わること自体が違法
 「つくる会」から分裂した八木秀次氏は、「扶桑社版があまりに偏りすぎている」と非難し、「教科書改善の会」を新たに立ち上げました。当時の安倍首相の口利きで、フジ産経グループから3億円の資金援助を得て、扶桑社の子会社である育鵬社から新しい歴史教科書を準備中です。大藏委員はこの「教科書改善の会」の役員として、特定の教科書の採択を求める運動に関わっています。教育委員会の場で、教科書作成関係者である大藏氏が、他社の教科書を批判し、自分の教科書の採用を求めるのは、独占禁止法に違反するものです。区長は再任をやめるべきです。

◆田母神前幕僚長論文の入賞は「つくる会」の組織的活動
 前航空幕僚長田母神俊雄氏が、「我が国が侵略国家だったなどというのはまさに濡れ衣」と主張し、侵略と植民地支配を認めた1995年の村山談話や、政府見解を否定したことは重大です。
 田母神論文では、第1に、「日本は朝鮮半島や中国大陸で一方的に軍をすすめたことはない」、第2に、「蒋介石に日中戦争に引きずり込まれた被害者」、第3に、「多くのアジア諸国人民が大東亜戦争を肯定的に評価している」と述べ、侵略国家ではないと主張しています。例えば、1895年、日本の支配に強く反対した閔妃を日本公使ら暗殺団が惨殺し、武力を背景に韓国併合を強制したことは歴史の通説です。田母神氏の見解こそ、「新しい歴史教科書をつくる会」が、現憲法を改定する目的で組織してきた独自の歴史観です。田母神氏の統合幕僚学校長時代、独自のカリキュラムの講師陣は、ことごとく「つくる会」系知識人であることが防衛省の公表でわかりました。懸賞論文の審査員も「つくる会」世話人の渡辺昇一氏と賛同人の産経新聞客員編集委員花岡伸昭氏です。まさに「つくる会」の出来レースだったのです。

◆「つくる会」が分裂 「扶桑社」は絶版、
  「育鵬社」「自由社」の争いに、
  区教委はどう責任を取るのか

 「つくる会」の内紛が、「自由」2月号の藤岡信勝氏・西尾幹二氏らの対談や、11月15日付、朝日新聞報道で明らかになっています。
 これによると、2007年5月に藤岡氏が、八木氏を名誉棄損で提訴し、さらに今年6月には藤岡氏・西尾氏らが、扶桑社を相手に出版差し止めを求める裁判を起こしています。
 八木氏が主宰する「教科書改善の会」は、扶桑社の子会社・育鵬社から新たな教科書を2012年に向けて出す予定、藤岡氏らは2010年使用をめざして、これまでの内容を「一部改訂」し、自由社から出版するものを今年の4月に検定申請しています。
 来年の採択に向けて、田母神論文と同じの内容をもつ「つくる会」教科書が、杉並の中学生に渡されることはもう見過ごせません。それを強制した教育委員、とりわけて教育委員の資質を欠く、大藏委員の再任は絶対反対です。25・26日の本会議で追及します。

〔参考資料について〕

資料1

国際勝共連合
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

国際勝共連合(こくさいしょうきょうれんごう、International Federation for Victory Over Commuinism)は反共主義の政治団体・右翼団体。世界基督教統一神霊協会(統一教会)の教祖、文鮮明が1968年1月13日に韓国で、同年4月、日本で創設した。関連会社が「世界日報社」が日刊新聞、『世界日報』を発行。

〔賛同的な人たち〕
大蔵雄之助(元TBS記者・東洋大学教授、杉並区教育委員、「異文化研究所」代表)杉並区教育委員会で「新しい歴史教科書をつくる会の歴史教科書の採択に中心的な役割を果たした。世界日報に主筆格でたびたび執筆。
戸澤眞(明治神宮崇敬会理事長)「国際勝共連合」元顧問
安藤豊禄(元小野田セメント社長、「日韓経済協会」初代福会長)「勝共運動」をよい運動と評価。
井上順理(鳥取大学名誉教授、兵庫教育大学名誉教授)「共産主義者に対して真正面から立ち向かい、反撃できる理論は、この勝共理論しかないだろう」と「勝共理論」を評価。

資料2

「日本教育再生機構」の結成に向けた集い
(8/7産経)

≪主な発起人・参加者≫
教育界からの主な発起人と参加者は次の通り(50音順、敬称略)。阿部孝(廣池学園常務理事)▽石井公一郎(元臨教審専門委員、元東京都教育委員)▽伊藤隆(東大名誉教授)▽岩田啓成(モラロジー研究所顧問)▽江部満(明治図書相談役)▽大蔵雄之助(東京都杉並区教育委員)▽大多和聡宏(開成中高校長)▽小田村四郎(前拓殖大総長)▽小林正(新しい歴史教科書をつくる会会長)  (中略)

 
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