12月8日、第4回定例区議会最終日、本会議での反対討論
2008/12/08 月曜日 22:51:29 JST

12月8日、第4回定例区議会最終日、本会議で以下の反対討論を行いました。

(1)総務財政委員長報告への意見

議案第68号 杉並区行政財産使用料条例の一部を改正する条例

 ゆうゆう高円寺南館の和室を洋室に改築し、その使用料を新たに定めるものです。
 まず第1に、この改築の目的自体が、日頃地域で孤立しがちな高齢者の出会いと憩いの場としてあった旧敬老館のあり方を転換し、楽しみにしていた入浴サービスを廃止したことから反対です。定年を迎えた団塊世代の力を区政に生かすために、ボランティアとして上から組織することを目的に、ゆうゆう館が位置づけ直されました。団塊世代はそれぞれの価値観から同じ世代と手をつなぎ、それぞれの目的に沿った活動の場を生みだす力を持っています。また行政に上からの組織されることを嫌います。行政が団塊世代に活動の場を提供してくれるのはありがたいことではありますが、もっと先にやるべきことがあるはずだとおもいます。一人暮らしや、家族が不在で孤立しがちな高齢者にこそ、人と交わる場や外出するきっかけを提供することが、行政の第一の課題ではないのでしょうか。
 第2に、目的外利用料金が値上げになったことです。ゆうゆう館は、これまで地域に住む近隣のお年寄りが使用する場であったためか、地域区民センターと比べ交通に不便な場所が多く、利用率は低くなっています。目的外利用料金が安くなれば、会館の替わりにもっと利用されることも可能です。今回の利用料金の値上げは反対です。
 第3に、防災会議室の利用の仕方です。設置目的から防災関係団体優先は理解しますが、それ以外には使わせるなという議論がありました。この改築過程の地域住民との約束や目的外利用の趣旨から言ってもおかしな議論です。いざ災害となれば当然にも使用中であっても、使用者自体が災害に備え使用を中止知することになり、災害対策の場にいつでも使えることは明らかです。むしろ、利用料金を無料かまたは低額にして利用促進を図ることこそが求められています。以上の意見を述べて議案に反対するものです。

議案第81号 杉並区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 本条例は、11月21日の特区連との交渉で妥結した内容です。しかし、それは区長会側が、組合の重点要求に対してはまったく応えていないものです。最終回答の中にはわずかながらの進展が見られたものの、執行部が苦渋の選択をしたものであり、現場組合員の要求に応えるものではありません。組合の立場を理解すればこそ、以下の理由で議案第81号には反対いたします。
 第1に、10月10日の特別区人事委員会の勧告は、「月例給・一時金とも改訂なし」とする国・人事院に追随したものです。国・人事院と同様、大都市でも月例給について、「改訂見送り」「マイナス勧告」が行われ、一時金は全ての都市で改訂見送りとなりました。給与に関しては、2006年から公民給与比較の対象を、「従業員50人規模」に引き下げた「給与構造改革」によるものです。とりわけ、公平・中立を旨とする人事院と人事委員会が、「成績率の拡大」と言う政治的意見を述べるなど、公務員制度が憲法や労働法で規定する労働者の権利の代償措置である人事院制度を自ら否定するものであり、到底容認できません。
 第2に、景気悪化を理由とした公務員賃金攻撃の不当性です。民間が低賃金だからそれに合わせて公務員の賃下げを求めるのは、本末転倒です。賃金決定の基本は、生計費原則に基づき、大都市東京における生活実態にふさわしい水準に改善するのが行政の責任であるべきです。公民格差の是正は、まず低賃金を強行してきた民間の給与を上げることが前提です。民間が低いからという理由で、公務員の給与を下げれば、それを基準に民間はさらに低額を強制されることになります。
 第3に、勤勉手当ての成績率については、これまでの労使協約を無視して、一律拠出の適用範囲を全員に拡大してきました。実施期間を1年遅らせたとはいえ、評価制度の検証がないまま勤勉手当成績率を拡大するのは許せません。来年度の成績判定期間が過ぎてからの提案は、ルール違反です。昇給がない現業組合員にとって、勤勉手当に成績率を導入する原資として、扶養手当から一律拠出するのは賃金削減につながることになります。
 第4に、昨年平均9%(最高10.8%)の業務職の切り下げを余儀なくされた結果、「50歳以上の大半が定年まで昇給しなくなる」「昇給できる号給がないため、評価制度で上位結果を得ても賃金に反映されない」などの問題点に対する区長会の回答がないことです。
 第5に、スマート杉並計画・職員1000人削減計画と業績評価制度の導入で、職場のチームワークや連携、職員間のきずなが脅かされています。病気や長期病欠が増えている現状を自己責任として、有給期間を2年から1年に短縮したことは認められません。病気休職者のうち、「心の病」が急速に増えている職場実態の改善のためには、原因の究明と職員が安心して働ける職場環境の整備が先です。有給期間の短縮は病欠者に退職を迫るものであることから反対です。
以上に理由から、議案第81号に反対します。

議案醍82号 杉並区区職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例

 人間は、自分で選んだ仕事が、可能ならできる年齢まで働きたいのが人情です。この間職員のなかに退職勧奨に応じる方が増えているのは、介護や病気などやむを得ざる理由の他、職場に生きがいや希望がなくなったことが大きな理由です。山田区政のスマート杉並計画と業績評価制度と、五つ星区役所運動により、職場のチームワークや連携が脅かされ、管理職の短期の異動や朝令暮改の施策で、病欠や病死・心の病が拡大していることも大きな原因です。こうした職場の現状を改善して、定年まで働きやすい環境を整えるのではなく、58歳からを定年に達したことに順ずるとして準用してきた退職制度を廃止し、退職勧奨制度を拡大するのは、反対です。
議案第83号 杉並区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
 第1に、組合の要求事項であった勤務時間の短縮は来年4月1日から実施されることになったものの、休息時間を1時間未満にした代わりに、休息時間を無くしたことは反対です。民間との格差是正とは、本来労働条件を引き上げる目的で実施してきたことであり、既得権を奪う理由にすることは許せません。
 第2に、パート職員の昼休みに45分しか取れない不利益です。その善処を求め、議案には反対します。

(2)健福祉委員長報告に対する意見

議案第69号 杉並区感染症に審査に関する協議会条例の一部を改正する条例

 新型インフルエンザ対策の必要性はみとめつつも、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療の関する法律」そのものに以下の問題があり、条例に反対せざるを得ません。この法は、感染症の病原体等の管理体制の確立、また感染症の分類の見直しを行い、また結核予防法を廃止して感染症法に統合しました。厚生労働委員会で、厚生労働省は、生物テロによる感染症の発生や蔓延を防止するためとも説明しています。
 本来患者の視点から作られる法律であるべき感染症法に、生物テロ対策を組み入れたことは、公衆衛生並びに感染症対策に、安易に警察権力の介入を招くことになり、その点から本条例に反対するものです。
 第1に、生物テロ対策を目的とすることで、病原体等を取り扱う個人や機関が事故や規則違反で引き起こす災害に対するバイオセーフティーへの対策が不十分であることです。WHOがバイオセーフティーについてのガイドラインを出しており、そこでは病原体等を保有する周辺の住民に対して正確な情報を提供すると同時に、感染予防策を取ることが明記されています。地域住民に対する情報公開が重要と言うのがバイオセーフティーの考え方であるが、その点が法には欠けており、情報が一元的に国に支配されるおそれがあります。
 第2に、生物テロ対策と称して、研究機関や大学などに対する警察などの立ち入り捜査に十分な歯止めがないことです。改正法では「警察などの立ち入り捜査は、犯罪のために認められたものと解してはならない」と書かれていますが、警察や海上保安庁の職員が立ち入り検査をすることは犯罪捜査が行われることに等しいものです。その規制は不十分であり感染症の患者対策や病原菌の管理のための法案にはなじまないものです。
 第3に、結核対策について、結核予防法が果たしてきた役割の大きさを考えるとき、結核が、最近の結核の発生動向に対して、発病しやすい高齢者や外国人労働者など及び感染を受けやすい医療従事者等に対する対策が不十分なことです。以上の問題があるために、国会では付帯決議が超党派でなされている通りです。以上の理由から条例に反対します。

議案76号 和田障害者交流館他1施設の指定管理者の指定について
議案第77号 杉並視覚障害者会館の指定管理者の指定について

 この条例は、これまで施設の運営管理を行っていた障害者団体連合会と視覚障害者福祉協会に引き続き管理運営を委ねるためのものであり、その団体の選定に意義はありません、しかし、公共施設の管理運営は本来自治体の責任で行うべきものであり、指定管理者制度はその責任を放棄するものであるため反対です。
議案第78号 高円寺南保育園の指定管理者の指定について
 本条例は、高円寺南保育園の運営を指定管理者制度を用いて「社会福祉法人けいわ会」に委託するためのものです。
 指定管理者制度と民間委託に反対することから反対します。詳しくは文教委員会の中でも述べたとおりです。

(3)都市環境委員長報告

議案第72号 杉並区営住宅条例の一部を改正する条例

 本条例は区営住宅の駐車場の使用料を改定するものです。区営住宅は本来低所得者に対する福祉的観点からの住宅政策でありながら、公営住宅法が改悪されて以来、受益者負担の名のもとに、一律の家賃値上げに始まり、その建設の経過を無視した同和住宅の家賃値上げに至るまで、国や自治体から負担が強いられるようになりました。低所得者にとっても、仕事や介護など様々の事情によっては、車が必要な場合があります。その使用にあたり周辺の駐車料金と同じ負担を強いるのは厳しいものです。居住者以外に貸す場合は別として、障がい者等の区営住宅居住者への利用料金の減額を求めて議案に反対します。
議案第73号 杉並区景観条例
 まちづくり条例や景観条例を制定する場合、誰のための条例かということです。住民のための条例か、行政のための条例かによって、180度違ったものになります。
 戦前は、天皇が行幸するたびに、景観の目ざわりになるとして被差別部落が壊されたり移転を強制されたことがありました。戦後は、高度成長下で、大規模なマンションや高層ビルが、周囲の町のあり方を無視して乱立するようになりました。こうした乱開発に対し、住民の暮らしとまちの秩序ある発展を守るための一定の規制は必要です。
 しかし、本条例案には誰のための条例なのか、何の目的で景観を守るのかが明らかにされていません、区長の判断や景観審議会の構成とその判断で決められることになり、住民の声や人権を侵すおそれがあります。
 第1に、条例制定過程で区民意見や議会からの意見を吸い上げる手続きが不十分なままの上程です。まちづくりの主体は住民であるのもかかわらず、その視点からつくられていないことです。住民の意向を反映する制度上の手続きがありません。
 第2に、議会の関与ができないことです。審議会にも議会の関わりがないことです。
 第3に、この間区内で横行する住環境を脅かす建築計画に対し、運用の段階で行政の側から規制できる手立てがないことです。京都や金沢市ではこれまでも歴史的景観を保存するために事業者との事前協議の手続きの中でかなり厳しい指導が可能となるように作られてきました。杉並の場合、善福寺の水と緑、三井グラウンドの緑や富士見ヶ丘駅前葬儀場問題など多くの問題を抱えながら、本条例がまったく機能しません。本条例では逆に、環境への配慮を口実に、大規模建築物の規制緩和となる恐れがあります。
 以上の理由から反対です。

20請願第8号「区の消費者行政における職員の人員配置と予算の増額を求めることに関する請願」に対し、趣旨採択ではなく、採択を求め意見を述べます

 昨今の食品偽装事件、事故米の不正転売事件など、食の安全をめぐる問題が実に深刻な危機を迎えています。かつて、先輩女性たちが戦後大きな運動を起こして築きあげてきた食品安全基準や添加物の規制も、規制緩和となり崩されて久しくなります。消費者行政に欠ける予算の大幅な削減が、この事態をもたらすひとつの要因であることを、この請願によって教えられました。国に対し抜本的対策や予算の増大を求めるとともに、それを待つのではなく、自治体の責任で、できる手だてを講ずるべきです。区の答弁では予算の削減部分は、かつての消費者センターの家賃分であるから、消費者行政の予算の削減や後退はないとのことでした。しかし、消費相談窓口に寄せられる相談件数の増大、また振り込め詐欺や高齢者に対する押し売り等の消費者行政の新たな課題の増大に比して職員体制や予算が増えていません。以上の理由から趣旨採択ではなく採択を求めるものです。

議員提出議案第5号「『(仮称)協同出資、協同経営で働く協同組合法』の速やかな制定を求める意見書

 本来全会一致で出されるべき意見書でありながら、残念ながら委員会の中で、「自治体業務の民営化の受け皿になりかねない」との理由で反対があり(注1)、全会一致にはなりませんでした。民営化には一貫して反対してきた無所属区民派としては、意見書が「民営化を進めるためのもの」というような誤解を正すために、意見書に対する賛成意見を述べます。
 労働者協同組合が、労働組合運動の中でも見直され、労働者が自立して仕事を創出し、非営利でその生み出したものを分け合うという取り組みが各地で始まっています。
 11月12日、連帯労組関西地区生コン支部や管理職ユニオン、全国金属機械労働組合港合同、全港湾大阪、派遣パートユニオンなどが、連携し、「非正規労働者のための協働センター」NPOの申請を大阪府に対し行いました。派遣労働者や非正規雇用の拡大による膨大なワーキングプアーの増大に、働くものと市民が協働して、仕事・働く場を作り出す事業体との連携をしてゆくことになりました。資本の競争・差別・収奪・貧困の増大に対抗し、協同組合型の自力の仕事づくり事業をはじめました。現在の非正規労働者、失業者の増大にあたって、貧困・反失業とたたかう青年労働者・グループとの共闘の場ともなっています。このような取り組みを進めてゆくためには、NPOでは、社会的信用がなく借り入れも厳しいため、労働者協同組合の法整備が求められてきました。こうした取り組みに学び、「民営化を進めるため」と言う誤った見解を改め、全会一致となるよう願って意見書に賛成するものです。
 (注1)区民生活委員会で都政を革新する会・北島邦彦議員は、「自治体の民営化の受け皿になるから」と言う理由で一人請願の採択に反対、議員提案が区民生活委員会全員とならず、北島議員を除いて提案されたものです。

 
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