山田区長はブルーリボン着用強制はやめよ
作者 けしば誠一・新城せつこ   
2009/04/20 月曜日 22:42:42 JST

8月「つくる会」教科書採択にむけ手段選ばぬ山田区長
思想・信条の自由侵すブルーリボン着用強制はやめよ

職員にブルーリボンバッジ着用強制をやめよ
 4月15日、山田区長は、朝の庁内放送で拉致被害者支援を訴え、横田夫妻の声を流し、6月2日の横田早紀江氏講演会への参加を呼びかけました。区は、職員に「ブルーリボンバッジを着けて、北朝鮮拉致被害者全員の早期救出と、拉致問題の一日も早い全面解決に向けて、拉致被害者家族の支援の輪を広げよう!」と書いた趣意書をメールで送信し、区民にもこれを配布しようとしています。
 バッジは庁舎1階で販売し、幹部職員は500円で買わされ、翌16日から着用を始めました。職員の名札にブルーシールを貼るよう命じました。「強制ではない」としながら、区が呼びかけるのは公権力による強制にほかなりません。

被害者家族の政治的利用
 拉致事件は、朝鮮民主主義人民共和国によって起こされた許しがたい権力犯罪です。突然わが子を奪われた家族の悲しみや怒りは計り知れません。金正日政権がその事実の一端を認めたことから、外交問題として事態の解明と解決に一刻も猶予はありません。
 それにもかかわらず、安倍政権以降、拉致被害者家族連絡会(以下、家族会)は具体的方針をめぐって分裂し、解決を困難にさせています。「家族会」事務局長だった蓮池透氏は、「家族会」を政治的に利用する強硬派を厳しく批判し「家族会」の役職を辞任しました。
 蓮池氏は、「家族の中にも制裁が目的になっている人がいる。目的は家族を奪還すること、そこをきちんとしないと世間の人がはなれていく。北朝鮮排斥運動をしたい人と一緒になってしまうと、家族会が何をやっているか分からなくなってしまう」と述べています。
 蓮池氏は、「北朝鮮に拉致された日本人を救出する全国協議会」(以下、救う会)が一部の政治家や「新しい歴史教科書をつくる会」に利用されていることを厳しく批判し、拉致問題の解決に向かい精力的に講演活動や執筆活動を進めています。山田区長の「拉致被害者支援運動」は、当事者の間でさえ厳しい意見対立のある問題に、一方の立場を支援する行動を、公務員に強制する不当なものです。それにブルーリボンバッジやブルーシールの着用は、公務員の職務専念義務に違反する可能性があります。

「救う会」が核武装と自衛隊の朝鮮 派兵を要求
 「救う会」元会長・佐藤克己氏は、「北朝鮮と対決するためには、日本も核武装を真剣に検討すべき」と発言したことが報道されました。佐藤氏はカンパのうち1千万円の使途不明が発覚しながら不問に付されています。「救う会」会員であり、また特定失踪者調査会の代表・荒木和博氏は、「北朝鮮との間はすでに戦争状態なのだ。あの体制を倒さなければならない。」「経済制裁は当然だが、日本独自の軍事的圧力もかけて、北朝鮮側に拉致被害者を返さざるを得ない状況をつくっていくべきである。邦人保護を目的として自衛隊を派遣すべき」と叫んでいます。これがブルーリボンをつけた団体の主張です。

「救う会」と親密な「つくる会」
 「新しい歴史教科書をつくる会」は、その政治目的のために、強硬派の旗頭である横田めぐみさんのご両親をかついで、北朝鮮に対する敵愾心をあおることに利用してきました。区長が、6月2日に杉並公会堂で横田早紀江さんの講演を企画した理由は、「つくる会」と同じ目的のためです。
 横田夫妻は、北朝鮮に対する食糧支援などの人道的な支援中止の働きかけを中学・高校生にも呼びかけました。その後、食糧支援は中断されたままです。飢餓でやせ細る罪もない共和国の子どもたちに犠牲を強いることまでしているのです。「つくる会」などの右翼の妨害があるために、横田夫妻以外の家族や被害者当事者は、自分の考えを語れない状況におかれ、「家族会」に参加していない人もいます。横田夫妻だけを担ぎあげる被害者家族の政治的利用は目に余るものがあります。

区は田母神講演会への支援をやめよ
 その上山田区長は、「防衛省自衛隊東京地本援護協力会」杉並支部渡辺直紀副支部長が主催しようとした田母神俊雄(前航空幕僚長)講演会に、7月13日、杉並公会堂を提供するなど積極的な支援をしています。
 これに対し防衛省は、防衛省の民間協力団体の杉並支部が主催することを中止する要請を行いました。渡辺氏は、「防衛省による言論・思想弾圧」と反発し、主催団体を「真に誇りある日本をつくる会」と変更して、田母神講演会を強行する構えです。山田区長は、杉並産業協会や町会・商店会を動員しようと企んでいます。

思想信条の自由を侵すブルーリボンバッジ着用を毅然と拒否しましょう
 事件の背景には、戦前の植民地支配の中で100万人とも160万人ともいわれる強制連行がありながら、未だ何の謝罪も補償も行われず、戦争状態が継続したままの朝鮮と日本との関係があります。横田さんらのやっていることは、解決をめざすものではなく、経済制裁や日本の核武装を要求し、力づくで屈服を迫り、解決を困難にさせるばかりです。
 この特定の運動に区が賛同し、職員を動員することは、自治体の公正性・公平性に反するものです。ましてや、当事者の間で批判のあるブルーリボンを職員と区民に強制することは許せません。区長は強制ではなく、自発的な着用を促すものといいますが、区が文書で要請しているのは、公的行政行為以外の何ものでもありません。憲法を守る義務を持つ公務員として、思想・信条の自由を守るため、ブルーリボンバッジを拒否しましょう。

 
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