杉並区民ニュースNO.40 (09.4.22)
2009/05/07 木曜日 10:45:23 JST

豊多摩高校屋上・ドコモ携帯基地の影響と建設経過について、都教委・学校長とNTTは説明責任を果たせ

●生徒・保護者に説明ないまま
屋上に携帯基地局建設強行
 3月20日、豊多摩高校B棟屋上に、ドコモ基地局建設工事が始まりました。高さ8.2mのアンテナと電源装置・無線装置を設置し、2年後の3月31日まで携帯電話の基地として使用するとのことです。
 都教育委員会は、「電磁波の強さは国基準の百万分の一だから安全」と教員に説明しただけで、生徒・保護者・近隣への説明はせずに着工しました。都教委が、NTTの企業利益に従い、学校施設に携帯基地局の使用を認めたことは許せません。 

●発達段階の生徒に与える健康 被害が欧州で報告される!
 携帯電話の電磁波の危険性が問題にされている時、生徒が学ぶ校舎の屋上に、基地を設置する問題に、教育委員会の責任と見識が問われています。WHOの報告やイギリスなどの調査により、発達途中の子どもに与える電磁波の健康被害が報告され、欧州では幼児の携帯電話の使用や学校施設への電波施設の建設は厳しく制限されています。
 3月31日、けしば誠一は、学校長に面会し、電波を発する前に、生徒・保護者・近隣への説明を開くよう求めました。数日後、NTTの担当部長が、けしばを訪れ、「個々に説明は行うが、近隣説明会はしない」「契約者から要請があれば、説明会を実施した例はある」と伝えてきました。契約者たる学校長を通じて説明会を要望する旨通告しました。
 4月16日、けしばと住民、保護者である松尾区議が、三田校長に面会し、事業化前に近隣説明会を行うよう求めました。校長は、「自分では決められない。都教委に相談し回答する」とのことでした。

●神戸で住民の健康被害理由に
 携帯基地局撤去される
 全国ではじめて、住民の健康被害そのものを理由として、携帯電話基地局が撤去されることになりました。
撤去されるのは、神戸川西市内にあるNTTドコモ関西の携帯電話基地局です。この基地局は、05年5月に阪急バスの営業所に建設され、同年12月に稼働。その数ヶ月後から、周辺では、不眠や疲労感を訴える住民が続出したといいます。
 これに耐えかねた住民40人は、07年1月に、「電磁波公害をなくす会」を結成。うち10人が「体調不良は基
地局から出る電磁波の影響」などとして、同年5月にNTTドコモ関西と阪急バスに対し、基地局の稼働停止などを求める調停を大阪簡易裁判所に申し立てました。こうした動きから、阪急バスは、住民の理解が得られていないなどとして、07年6月にNTTドコモ関西に基地局用地の賃貸契約の解除を申し入れ、NTTドコモ関西が折れて撤去されたものです。(07年12月18日付『神戸新聞』から)
 横浜市でも小学校に基地を建設することに保護者が強く反対し計画を止めています。豊多摩高校とドコモは、稼働前に説明会を開くよう改めて要望します。
 

 

高校屋上に携帯基地局 都教委が許可 電磁波影響は?

2009年4月5日 東京新聞朝刊

 東京都教育委員会が都立豊多摩高校(杉並区)の校舎屋上に、都立校では初めて、携帯電話の中継基地局(アンテナ)設置を許可していたことが分かった。ほかの都立校でも申請があれば原則、許可する方針。ただ、自治体によっては、児童生徒の健康への影響などを懸念して学校への設置を認めていないところもあり、専門家からは疑問の声も出ている。
 都教委や同校によると、設置するのはNTTドコモの基地局で、高さ約八メートル。昨年四月に同社の申請があり、同七月に屋上使用を許可。先月末から工事が始まった。
 教育施設の目的外使用に当たるが、都教委は▽携帯電話の公益性▽学校運営上の支障の有無-などを検討して許可したという。
 今後も「防災上など特別の事情がなければ許可する」(都立学校教育部)としている。
 同社側から「影響する電波は国の電波防護基準の百万分の一」との説明を受け、「健康への影響は問題ない」と判断。保護者への説明はしていないという。
 一方、横浜市では一九九七年、市立小中学校六十八校に、携帯電話よりも電波が微弱なPHSの基地局設置を許可したが、その後市議会で問題化し、撤去。市教委は「子どもの健康に影響を与える恐れがないとはいえない」(施設管理課)として、その後は高校を含む市立学校への携帯電話・PHS基地局設置は認めていない。要綱で「不許可」を明文化することも検討中という。
 市民団体・電磁波問題市民研究会(事務局・千葉県)によると、基地局をめぐる反対運動やトラブルは全国で二百件以上。訴訟になるケースもある。
 総務省関東総合通信局によると、一月末現在、同局管内(一都七県)で携帯電話の基地局は約四万三千あり、▽電波が通じない不感地帯の解消▽端末の高性能化への対応-などで、「ここ三年で一・五倍くらいに増えている」という。

安全性に問題ない

 NTTドコモ広報部の話 学校への設置事例の有無など個別の基地局情報は、セキュリティー対策や他社との競争上の理由で答えられない。安全性に問題はなく、サービス向上のために必要であれば、今後も学校に設置することはあり得る。

保護者の同意必要

 電磁波問題に詳しい上田昌文・NPO法人市民科学研究室(東京都)代表の話 基地局の電磁波は微弱で、すぐに健康被害が生じるレベルではないが、長期間さらされた場合の影響は不明だ。イタリアやドイツなど、学校や病院の近くに建てさせないよう規制や勧告をしている国もあり、都教委は安易に考えすぎではないか。少なくとも保護者の同意は得る必要がある。
 

 

「消費者レポート」第1432号 2009年3月7日掲載の資料から

世界で発せられる携帯電話電磁波への警告

●2008年4月、ロシア国立非電離放射線防護委員会は、携帯電話に関する特別声明を出して、2001年にすでに「16歳以下の子ども、妊婦、神経に関連する疾患を持つ者は使用すべきではない」「通話は最長で3分まで、1回通話したら次にかけるまでに最低15分あけること」などと勧告
●2008年7月、アメリカ、フランス、イタリアなどの研究者ら23名が名を連ねて、アメリカのピッツバーグ大学がん研究所が「10の予防的手段」を発表
●2008年9月、アメリカでははじめて、携帯電話と脳腫瘍の問題がワシントンでの議会の公聴会で取り上げられ、影響を懸念する科学者と問題ないだろうとみる科学者の両方の意見が披露された
●ロナルド・ハーバーマン博士(ピッツバーグ大学がん研究所ならびに国立がん研究所の初代所長)は、「ここ10年間で20代の脳腫瘍の発症率が増加している」と指摘
●2008年9月に欧州議会で採択された「欧州の健康と環境 アクションプラン2004-2010中期評価」でも、「ヨーロッパ全土の大臣に対して、とりわけ子どもたちが脆弱である点も考慮して、携帯電話やコードレス・フォン、wi-fi無線LAN、その他の危機からの電波への暴露をもっと厳しく制限することを強く推進する」と提言
 
(2009年1月29日市民科学講座「携帯電話電磁波から子どもを守ろう!」資料より)

 
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