自治基本条例改正特別委 意見開陳
作者 けしば誠一・新城せつこ   
2009/12/24 木曜日 23:46:33 JST
「危機管理体制の強化」を加えた
杉並区自治基本条例の改定に反対

 12月7日、自治基本条例の改定と区民意見提出手続き(パブリックコメント)条例に関する特別委員会が設置され、無所属区民派は計30分にわたる質疑を行い、以下の反対意見を述べました。

議案61号 自治基本条例の改正案に反対する意見

 第1に、条例の目的である、住民自治の主人公であるべき住民主権の規定がありません。また、そのための情報共有、公開や透明性の確保等の規定が不十分なため、実効性がないことです。
 第2に、条例に新たに「危機管理の体制の強化」を加えたことの問題です。4月27日、都道府県防災・危機管理担当部局長等と防衛省・自衛隊による意見交換会が行われ、その日の主な報告が、弾道ミサイル対処であった事実を明らかにしました。危機管理という言葉は本来国家間の安全保障といった政治用語としてはじまり、災害対策や防犯対策にも使われるようになりました。危機管理の目的は、有事における対処の仕方であり、軸は戦時の態勢構築に他なりません。「区民の安全・安心」に名を借りて、危機管理体制の強化を自治基本条例で区の責務に加えることは、国民保護法が規定する自治体の戦争協力に杉並区が積極的に応えることをめざすものです。
 第3に、第8条3項の「効率的な議会運営」を、削るよう求めていましたが、今回改定されませんでした、効率的ということは財政的効率で議員定数削減、時間的効率で発言時間や回数制限を求め、議会の権限を侵害する恐れがあるものです。
 第4に、委託事業者の選定にあたり、企業情報を理由に委託料や労働条件を明らかにしない区の姿勢は、条例の情報開示や透明性確保が絵に描いた餅でしかないことの証です。
以上の理由から議案61号に反対します。

「区民意見を聞いた」形ばかりの
区民意見提出手続き条例には反対

 自治基本条例改正に伴い、区の基本構想や基本計画、区民生活に重大な関わりのある施策の策定以前に、区民意見を求めることを定める条例が提案されました。23区では初の条例とのことですが、この間の区民意見を求めた事例や施策の説明会等で、それを聞いたという形を取り繕うだけで、意見が妥当なものであっても採用されたことがない現状から、反対しました。

議案第62号 区民意見提出手続き条例に関する反対意見

 第1に、2004年、8月米政府から総務省の「行政立法手続き等の論点」に対する批判がなされているように、国や自治体で、住民の意見が最終的に十分に反映されない点が問題です。2005年行政手続法で、パブリックコメント制度が拡大しながらも、区民からは意見を聞くだけで、何ら反映されないとの批判をあびています。
 第2に、第10条で「検討の段階における素案を対象に、条例に準じた手続きを」を行うとしているが、答弁では「これまでもそうしており、条例ができても変わらない」とのことです。実態は、素案が固まった段階でパリックコメントを行うために、それが施策の根幹にかかわることには何一つ反映されていません。基本計画の素案ができる早い時期に、その施策の必要性の有無もふくめて、区民意見を聞くべきではないのでしょうか。
 第3に、教育委員会はこの間、小中施設型一貫校と統廃合、図書館、幼稚園の廃止などの件では、いまだ決定されていない段階で、決まったことのように説明し関係者の意見を求めて、批判を浴びています。減税自治体構想では、公報「すぎなみ」で、決まったことのように打ち出し、区民の意見を求めています。
 このような姿勢で行われる区民意見提出手続きは、23区初をめざすだけで、その実効性は期待できません。 以上の理由から議案第62号に反対します。
 
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