7月30日、杉並区議会臨時議会のご報告
2010/07/31 土曜日 23:52:00 JST
田中新区長就任初の臨時議会が開かれました。

議題は、

1、教育委員会委員(田中奈那子氏)の任命の同意について
2、教育委員会委員(對馬初音氏)の任命の同意について
3、監査委員(小野清人議員)の選任について
4、監査委員(斉藤常男議員)の選任について

(1)大量無効票の選管報告求め臨時議会の会期に反対意見

冒頭、先の参院選と区長・区議会補欠選挙で生じた8万票近い無効投票に対する選挙管理委員会の報告を求め、その議題のない会期(日程)に対する反対意見を述べました。共産党も、田中区長の初議会に、区長の所信表明と代表質問がないことから、会期に反対。無所属区民派、緑未来2、ネット2、無所属、わくわく会議、みんなの党、都革新と共産党6、計15名が反対。会期は賛成多数で採決されたとはいえ、大量無効票を生み出した、選挙管理委員会と区の責任を明確にすることができました。

反対意見

本日東京新聞の、1面トップで先の参院選と区長・区議会補欠選挙のおける異常な無効投票に関する報道がなされ、杉並区選挙管理員会の姿勢が問われました。比例代表の無効投票は全国平均で3%、都内は2.6%であり、これに比して杉並は7.5%と際立ち、前回と比べ4倍の異常さです。

その原因は、投票用紙を一度に2枚配布するという選管のやり方であり、その責任は免れません。その証拠に、同じように知事選と県議補欠選とのトリプル選挙であった大津市では、安全第1を考え、投票は4回に分け、3人並びの投票台を2人並びに変更するなどして実施ました。その結果全国平均と同じ無効票にとどまりました。

選挙管理員会の責任を議会で明らかにすることが区民の負託に応える道です。そのためには提案された本日午後からの1日では、緊急事態に対応して新たに議題を付議する手続きを行う余裕がありません。会期を延ばし、選挙管理委員会の報告を聴取する手続きをとり、その責任を質す場を緊急に設けるべきです。

以上の理由から、提案された会期に反対したします。選挙結果にも関わるような重大性から、9月の定例区議会まで先延ばしできるような問題ではありません。議員各位の責任と賛同を求めるものです。

(2)議案第56号杉並区教育委員会委員の任命の同意について

(田中奈那子氏)

質問要旨

山田前区長により、資質および公平・中立性を欠いた教育委員が選任されてきました。その結果、2005年と2009年の2度にわたり、強い反対を押し切って、中学歴史教科書に、侵略戦争を正当化する「扶桑社版」が採択されてきました。田中新区長が、今回どのような人物を選ぶか、保護者や学校関係者をはじめ、区内外から注目されています。

1、区長公約の「杉並の公平・公正な教育」は、どのような方向を目指すものか。山田前区長による独善的思想による教育の支配を正すことをめざすものか、区長の見解を。

2、区長は、「新しい歴史教科書」の扶桑社版や自由社版に、どのような評価をもたれているのか。

3、選任にあたり、どのような基準で選んだのか。PTA会長経験者を選んだばれた理由は。

4、経歴で一点気になることは、石原都政下で実施されている「心の東京革命」推進協議会チーフアドバイザーの経歴です。区長は、石原都政による教育現場での「日の丸・君が代」の強制と処分に関してどのような見解をお持ちかお聞きしておきます。

区長答弁は、「『公正・公平』は言葉どおり」「石原都政に良い面も悪い面もある」「教科書は読んだかどうか覚えていない」という、何とも言いようのない無内容な答弁で、東京都教育委員会や杉並区の教科書採択の姿勢に、田中区長の批判的視点はないと判断しました。

意見

提案された議案は、本日の議会運営委員会で決定された後、議案として受け取りました。しかし、その前に議会事務局を通じて、区長部局からの情報として事前に明らかにされ、人事案に対する検討する時間が与えられました。山田前区政では、与党会派には事前に打診がありながら野党・とりわけ野党少数会派には議案になるまで明らかにされないことが度々でした。このたびの区長の議会への対応に、山田区政が転換したことを実感でき、期待を持って臨時議会に臨みました。しかし、答弁には落胆しました。

提案された田中奈那子さんは、経歴からも明らかなように、杉並小学校PTA会長を経て、豊多摩高校でPTA会長を勤められました。しかも、東京で初めて五つ子を生み、一度に通常の母親の5倍の苦労をなさって、子育てをしながらのPTA活動や地域活動を行ってきた驚嘆すべき人物です。結婚30年を記念するまでの困難を報道するテレビ番組の紹介で、その家族の在り方を知り、心を打たれました。しかし、その人柄人物が評価に値するとしても、政治的立場となれば別問題です。

区長の公正中立な教育という立場には期待をしていました。区民は、山田区長の教区のゆがみを正してもらえるかと期待を寄せてきました。区長の答弁では、石原都政の心の東京革命のチーフアドバイザーという経歴の疑念を晴らすことはできませんでした。人物として信頼した方が、来年つくる会教科書を採択することになれば、責任をとれません。区長の答弁からは議案第56号には反対といたします。

(3)議案第67号杉並区教育委員会委員任命の同意について

(對馬初音氏)

質問要旨

経歴からはPTA会長を経験され、その後も教育現場に関わり、子どもたちや教員のおかれている現場をよく知る方であると認識できます。しかし、提案された議案を判断するためには、山田区長が選んだ教育委員人事に対する田中区長の見解と姿勢を問わねばなりません。仮に2名の教育委員が議案のような保護者や地域から選ばれた信頼できる方であっても、教育行政の姿勢如何で教科書採択が大きく変わることを経験してきました。

1、大蔵委員長にお聞きします。以前勝共連合の機関紙『世界日報』の連載執筆者であったこと、教育委員になってからも「新しい歴史教科書をつくる会」の関係する政治的団体の役員を務めてきたこと、議会で質問されてからそれを辞めたことなど、教育委員としての資質に欠けています。山田区長の支えがなければ辞職すべき人事でした。区長が交代した以上、自ら職を辞すのが潔いあり方だと思うが、見解を求めます。

2、教育委員会の公平中立性を守るために、前区長の選任したお二人は替わるべき。区長がどのように取り計らうのか、その姿勢を問う。

大蔵委員長の答弁は無く、区長は「大蔵委員長も宮坂委員には任期を全うしてもらう」との答弁。提案された對馬(つしま)さんは、PTA関係者がよく知る信頼できる方で、残る2人の委員の解任を求め議案には賛成しました。

意見

議案第57号の對馬初音さんは、区立第5小学校のPTA会長を経験され、その後も学校教育に地域で関わり、杉並の子どもたちや教員のおかれている現場をよく知る方です。天沼小学校では学校図書館で司書を努め、図書館関係者からも評価のある方です。山田区政のもとで歪められてきた教育を立て直すために、まず保護者の立場から関わっていただくことを期待し、議案には賛成いたします。

しかし、山田区長の選んだ大蔵委員長、宮坂委員が残る限り、区長の掲げる教育の公正・中立は実現することはできません。来年中学の教科書採択までには何としても一新しなければなりません。任命権は区長にあると言われました。お二人が大橋委員のように辞職しない以上、教育の公正中立を旨とする区長の考えとは異なる2人の解任の議案を出して即刻やめさせることを求め、」意見を終わります。

(4)議案第58号、89号杉並区監査委員(議員)の選任の同意について

議場で、監査委員(議員枠)2名の選任議案が出されました。一人は新会派「新しい杉並」から小野清人議員、さらに杉並自民党区議団から斉藤常夫議員です。以下の意見を述べ、議案に反対しました。共産党と無所属議員など少数会派が反対。

監査委員制度は報酬額の大きさとその現状に対する区民の目は厳しいものがあります。これまで代表監査が、区の幹部職員から選ばれ、監査委員が与党会派の持ち回りで、行政の監査という重要な役割を果たせないばかりか、ただ追認するだけの役割しか果たせなかったことは周知の事実です。

政務調査費に係る様々な住民監査に対する監査委員会の結論は、与党会派に対する配慮が見られ、区民の批判を浴びています。

このたび、区議会では区長選の後、区長を争った自民党会派と民主党会派が一つになり、そこに社民党まで加わり、17名を擁する大連合会派が作られました。

提案された議案には、大連合会派からは社民から加わった1名が論功行賞で選ばれ、さらに大連合に加わらない自民党会派からは1名が提案されています。この現状から、今後の区議会がこれまで以上にオール与党体制で進められることが判明しました。

これでは区長が変わっても行政と議会との緊張感は失われ、なれ合いが横行するものになると危惧せざるをえません。

以上の理由から、2議案とも反対とします。
 
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