阿佐谷北東地区まちづくりに関するアンケート調査への回答

「阿佐谷北東地区まちづくりに関するアンケート調査」について、けしば誠一・新城せつこが回答した内容をホームページでも公開します。


2019.10.16
けしば誠一・新城せつこ

阿佐谷北東地区まちづくりに関するアンケート調査への回答

(1)杉一小の改築について
 阿佐谷北東地区計画の発端は、杉並第一小学校の老朽化と建て替え計画にありました。当初の杉一小の改築計画にはいくつかの案が提案されました。その一つが、現在の位置に産業商工会館などを合築して複合化し、校庭が屋上になる案でした。PTAや町会など学校関係者で構成する改築検討懇談会メンバーが、都心の屋上校庭を視察した後に、2016年2月の懇談会で屋上校庭の方向で合意した経過があります。杉一小の今ある場所での建替えには、プレハブ仮校舎用地が必要であることや震災時にはけやき屋敷などに避難することが確認されていました。
 しかし2016年8月に、突然、河北病院とけやき屋敷の地権者(所有者および借地権者)から、けやき屋敷に河北病院を移転する計画が区に報告されました。それを受けて区は杉一小建て替え計画をいったん停止し、河北病院移転後の跡地に杉一小を移転改築する仮案を提示しました。私達はこの仮案を聞いた時には、これまでの議論経過を考え複雑な思いを抱きつつも、児童の安全と学習環境の観点から、杉一小の校庭が複合施設の屋上ではなく地上に確保でき面積も広くなり、建て替え時のプレハブ校舎はいらず、児童にとっては最善の策と判断しました。これによる校舎の建て替え時期の遅れに対する保護者の理解を得るために、現校舎の長寿命化の改修とITなど教育環境を整備してきたことを確認しています。

(2)けやき屋敷の緑について
 けやき屋敷の樹木を残したい思いはだれもが同じです。もともと民有地であり、これまでの地権者の努力と負担なしには維持できなかったことです。「区がけやき屋敷を買えばいい」との意見がありますが、地権者は、この土地を決して売らないという強い意志をお持ちで、河北病院に貸し付けて、土地を維持する考えと聞いています。けやき屋敷の樹木の維持に年間莫大な費用がかかり、相続等が発生すればけやき屋敷の土地は売却され、民間による開発にゆだねられれば、この樹木を守ることは難しいと考えます。
河北病院の移転計画と杉一小の建て替え計画を含む地区で地区計画を策定し、北側道路を拡幅し容積率を緩和して建物を高度利用することで、樹木をより多く残すことが可能となると理解しています。さらに地区計画の原案では、敷地西側の高木がまとまっているエリアを緑地に位置付けるとともに、緑化率の最低限度を定め、敷地面積の25%を最低基準とされています。区に対し、地権者との協議を重ねさらに樹木を残せるよう求めています。
 先日、私達がお会いした都市計画の専門家から、樹木についてのアドバイスをいただきました。それは学校と病院の間の道路(区画道路3号)に沿った歩道状空地2号に現存する樹木(大木)の保全に努め、歩行者に配慮した歩道ができないかというものでした。議会でこれを提案し、区に検討を求めました。

(3)河北病院の土地の土壌汚染について
 病院の土地が医療廃棄物などにより土壌汚染の可能性があることを心配されるのは当然です。そこで全国で病院跡地が学校などに利用されている実例を調べてみました。大阪府箕面市で市立病院跡地に小中学校が計画され、沖縄県那覇市古波蔵の赤十字病院跡地には特別支援学校が2021年の開校に向けて計画中で、また仙台で市立病院の跡地に小学校と特別支援学校が市民と議員から要望がされたようですが結論は大学となっています。神戸市では有害物質が検出された工場跡地に小学校と特別支援学校が建設され、横浜市のみなとみらいではヒ素が検出された土地に対策を講じ小学校のグラウンドが造られています。区内でも桃井原っぱ公園が、中島飛行機の土壌汚染が検出されその対策がとられました。
 土壌汚染対策は国際的には埋めて遮蔽する方法が主流のようですが、日本は土壌の入れ替えを含めた方法が多くはとられています。区、地権者、河北病院の事業者3者で協定書に基づき、今後は瑕疵担保責任を明確にし、土壌汚染対策の関係法令に基づき河北の責任で万全の対策が講じられることを確認しています。

(4)阿佐谷北東地区区画整理事業について
 私達は前述の専門家に、これまで出された資料を見ていただき、客観的なご意見をいただきました。
 8月30日には区画整理法に基づく区画整理事業の施行認可がされ、区域内への公告・縦覧が行われました。区有地があり区が関わる事業でも、2人の地権者が他にいることで公共施行にはならず、また地権者が7人以上とされる組合施工ともならず、個人施行になったと理解しています。区画整理事業も「開発行為」の一つですが、一般的な開発許可と比べ、開発許可の中で行う任意の宅地交換よりも公平性や透明性が高いとの専門家のご意見がありました。
 今回、土地の入れ替えや敷地境界の整理に重点を置いた「敷地整序型土地区画整理事業」という手法が使われます。河北病院は区内の基幹病院として、年間約8,000台の救急車が細い商店街を通行しています。震災時に家屋の倒壊で通れなくなれば、救える命も失うことになります。地区計画の目的の一つが、震災時に区民のいのちを守るための道路整備であることからも、その手続きの迅速化が必要と考えています。

(5)杉一小跡地の今後の利用について
 「杉一小跡地に西友の土地を含め巨大な商業ビルができ、商店街がおびやかされる」と一部で言われています。地区計画の原案では、中杉通り沿いは高さ60mの建築物を建てることが可能になるとされていますが、区議会でもそのような計画はないことを確認しています。街区Aの中杉通り沿いの高さ制限の適用については、阿佐谷らしいまちづくりの観点から一定の高さ制限が必要です。その用途を含め、地元商店会など地域住民の意見を聞きながら方向を見出していくことが今後の課題だと考えています。