区長記者会見に区内基幹病院長らがともに列席
地域医療崩壊の危機に画期的対策が示される
4月13日、議会への補正予算案の説明がなされた後、これに関係する区長の記者会見が行われ、杉並区医師会会長や区内基幹病院から河北病院長、荻窪病院理事長、佼成病院長が列席しました。
田中区長から、医師会(地域の開業医)と区内基幹4病院の協力で、新型コロナウィルス感染患者を受け入れる病床の拡充と発熱外来センターの設置、またそれを支える24億7千万円余の補正予算の概要が示されました。その後、医師会長と各基幹病院長等から、病床が足りず現在二桁の自宅待機者がいるなど医療崩壊に向かう状況や、患者を救うために医師と看護師などの身を挺し命を守かけて医療に従事する関係者の厳しい現状が報告されました。基幹病院だけではなく、発熱外来センターの開設には、区内開業医から40名の方が協力に手をあげているとの報告もあり、傍聴する私たちは頭が下がる思いで聞いていました。
画期的なことは、区内の4つの基幹病院や地域の開業医が、一緒に力を合わせて新型コロナ対策に踏み出したことです。とりわけ各基幹病院は、遅らせことが可能な手術は次期にまわすなどコロナウィルス対策を第一にする病院運営方針に切り替えました。
コロナ感染者を受け入れ接触を避けるためには病床を半分に減らし、医師や看護師も増やさなくてはなりません。こうした病院や医療従事者の努力に、区は財政的にこれを支える決断をしました。病院経営や医療従事者を支える助成制度は、4月から6月までの期間とする補正予算の提案です。区長は記者の質問に、その後は状況を見て判断すると答えました。私たちは今回の杉並区の決断と努力に対し、国や東京都がそれを支える制度を設けることを求めます。
現在、国や都はそこまで考えがまだ進んでいないため、予算は区の持ち出しになり、区の財政調整基金から充当されることになります。議会の一部からは、区の基金はため過ぎではないかとの批判がありましたが、私たちは災害などの緊急時への備えのために、基金の必要性を理解してきました。この度その蓄えた力が発揮されることになります。
今回の補正予算には、これに加えて、今後の感染拡大により軽症者の居場所づくりなどその健康管理に従事する区の職員の特殊勤務手当を、他の自治体に先駆けて日額4000円内で支給することもしています。これも評価できる点です。