休業補償と医療体制支援が不十分な国の補正予算

4月30日、国会で一人10万円の現金給付を盛り込んだ新型コロナウイルス対策補正予算が成立しました。総額25兆6900億円の予算額ですが、期待したものとは程遠い内容でした。政府はこれに先立ち、5月6日に期限を迎える新型コロナに関する緊急事態宣言を延長する方針を固めながら、売り上げが2~3割に落ち込んだ中小企業に最大200万円、フリーランスを含む個人事業主には最大100万円を給付するにとどまり、これだけでは事業継続は不可能です。
新型コロナ感染終了後の景気浮揚策に1・7兆円が積まれる一方、医療を担う厚生労働省向け予算を7270億円に削り、ひっ迫する生活、営業、医療支援などはわずかなものとなりました。
地方自治体への1兆円の臨時交付金は、休業した企業に自治体が支援するための財源としても活用できるものとしたため、自治体がこの間独自に進めた医療崩壊を防ぐための医療機関への支援へは回せません。安倍首相も認めたPCR検査が極端に少ない現状を、自治体だけで補うことには限界があり、新型コロナ対応で医療体制と経営が逼迫する医療機関を、国が支える対策を講じなければ、すでに進む医療崩壊は手の施しようがなくなります。